肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)の原因と改善のポイント

肩関節周囲炎で負担がかかる棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋、三角筋、僧帽筋、肩甲挙筋を示す肩の解剖図 症状別

はじめに

肩関節周囲炎は、肩の関節を取り囲む軟部組織(関節包・靭帯・腱・筋肉)が炎症や癒着を起こすことで、強い痛みや可動域の制限が生じる症状です。一般的に「四十肩」「五十肩」と呼ばれますが、30代でも発症することがあります。自然に回復することもありますが、適切な対応をしないと半年〜1年以上痛みが続くこともあるため、仕組みを理解して早めのケアが大切です。

発症のメカニズム

肩関節は人体で最も可動域の広い関節ですが、その分不安定な構造をしています。

  • 加齢や使いすぎにより 関節包が硬くなり縮む
  • その結果、炎症が起こり 肩を動かすたびに痛みが出る
  • 炎症期を過ぎても、縮んだ関節包が残って 動かしにくさや可動域制限が続く

このように、「炎症」→「癒着」→「可動域制限」という流れで進行します。

肩関節周囲炎の進行段階

  1. 急性期(炎症期・2〜9か月程度)
    • 動かすと鋭い痛み、夜間痛が強い
    • この時期は安静+温め+痛みを和らげるケアが中心
  2. 慢性期(拘縮期・4〜12か月程度)
    • 炎症は収まるが、関節が硬くて動かしにくい
    • ストレッチや可動域訓練を少しずつ開始
  3. 回復期(解凍期・5〜24か月程度)
    • 痛みは軽減し、少しずつ動きが戻ってくる
    • リハビリや肩甲骨周りの運動で回復を促進

※放置すると可動域が完全に戻らないこともあります。

出やすい症状

  • 夜寝ているときに肩がズキズキ痛む
  • 髪を結ぶ、背中のファスナーを上げるなどで痛み
  • 腕を横や後ろに上げられない
  • 慢性的な肩こりや首の張りを伴うこともある

肩関節周囲炎で負担がかかる主な筋肉

肩関節周囲炎では、肩の動きが制限されるため以下の筋肉に負担が集中しやすくなります。

肩周りの筋肉が緊張すると、肩こりや首の張り、腕のだるさにもつながるため、肩甲骨まわりのストレッチやほぐしが回復を早めるポイントです。

日常生活への影響

肩関節周囲炎になると、日常の基本動作に支障をきたします。

  • 服を着替える・洗髪がつらい
  • 買い物袋を持ち上げられない
  • 車の運転や家事が苦痛になる
  • 痛みで眠れず疲労が蓄積 → 自律神経の乱れやストレスにもつながる

セルフケアのポイント

1. 急性期(痛みが強い時期)

  • 無理に動かさず安静を保つ
  • 温めて血流を促進(入浴や温タオル)
  • 強い炎症時はアイシングも有効

2. 慢性期〜回復期

  • 「振り子運動(コッドマン体操)」:立って体を前傾し、腕をだらんと下げて小さく揺らす
  • タオルを両手で持ち、背中に回して上下に動かすストレッチ
  • 肩甲骨周りの運動(肩をすくめて回す、胸を張る動作)

注意点

  • 強い痛みを感じるほど無理に動かさない
  • 改善が見られない場合は整形外科やリハビリ専門家に相談

まとめ

肩関節周囲炎は「炎症 → 拘縮 → 回復」の段階を踏む症状で、肩周囲の筋肉に負担が集中しやすくなります。適切なセルフケアやストレッチ、肩甲骨周りの運動で、肩の可動域を早く回復させることが可能です。痛みが強い場合は無理をせず、専門家に相談しながら安全にケアを行うことが重要です。

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